2011-01-01から1年間の記事一覧

DOG×POLICE

非常にオーソドックスでわかりやすいストーリー。 テンポはいいが、多少の粗さはある。 浮つかないのは、要所要所でベテランが締めているからだろう。 「イヌ屋」の意地、頂戴しました。

ライフい のちをつなぐ物語

食うか食われるか 子孫を残せるか残せないか ここに映し出された目的は実にシンプルだ。 ただその過程に、これほどのバリエーションがあるかと目を見張る。 時に自然界の発想は、人間の発想を越える。 そんな光景を目の当たりにすると、ふと笑ってしまう。 …

探偵はBARにいる

映画が終わり、外に出る。 さぁ、この映画をどう書こう。 そんなことを考えながら、エスカレーターを降りていく。 すると、そこにあった大きな文字が目に飛び込んできた。 「こんな映画を、待っていた」 確かにそうだ。 最新の映像技術を褒めなくてもいいし…

神様のカルテ

「生きていると、前へ前へと急いてしまうけれど、 本当に大切なものは、一番最初のところにある」 患者にとって「生きる」という選択肢を選ぶことが、 「死ぬ」という選択肢よりも過酷な場合があるように、 医者にとって「生かす」という選択肢を選ぶことは…

カウントダウンZERO

「私たちは、細い糸に吊り下げられた“核の剣”の下にいる。 その糸は、“事故・誤算・狂気”によって、切断され得る。 戦争兵器に滅ぼされる前に、戦争兵器を滅ぼそう。」 ―――ジョン・F・ケネディ 現在、世界に存在している核兵器の数は、2万3000発という。 ど…

ツリー・オブ・ライフ

一体、どこで間違ってしまったのか? 何処がいけなかったのか? 高圧的な父親の存在に、少年の心は確実に歪んでいく。 複雑に絡んでしまった糸は、無理矢理解こうとしても決して解けない。 押さえつければいいってものじゃない。 抱きしめればいいってものじ…

日輪の遺産

「任務が完了したら、全員にこの薬を飲ませよ」 この言葉を聞いた時、正直ぞっとした。 そこには、紛れも無く、人命を道具と見なした響きがあったからだ。 歴史を学べと人は言う。 戦争を忘れるなと人は言う。 だとすれば、一体何にたどり着けば、ゴールなの…

シャンハイ

「魔都」 開戦前夜の上海は、そう呼ぶに相応しいと聞いたことがある。 あらゆる人間が行き交い、混沌の中にあった街は、異様な熱を帯びていたはずだ。 ストーリーはともかく、その空気を見たかったと言える。 話はずれるが、 一口に「戦争」と言っても、そこ…

「思い」と「表現」

伝えたい「思い」がある。 それをそのままストレートに伝えれば、それは簡単だ。 変に加工を加えない分、より正確に伝わるかも知れない。 しかし、それを「表現」として伝えようとすれば、 「思い」の高低ないし強弱以前に、 「表現」としてのクオリティーが…

カーズ2

やはりカーズには惹かれるものがある。 緻密で美しい風景描写に、自動車ならではの疾走感。 登場する個性的な名車の数々にも心擽られる。 友情などの王道に加え、哀愁のあるエスプリの効いたストーリー。 子供のみならず、十分大人の鑑賞にも値する。 数ある…

トランスフォーマー ダークサイド・ムーン

好きなシリーズではあるけれど、 さすがにネタが尽きてきた感がある。 結局、やっていることは同じ。 3時間は長いような気もするし、短いと物足りない気もする。 それでもこの映像を見ないまま通り過ぎることは出来ない。 映像のクオリティという点では、や…

“迷惑”という死

二日前の月曜日。 いつものように仕事を終え、駅の改札を抜けると、 目の前の電光掲示板に合わせるかのように、駅構内にアナウンスが流れた。 「ただ今、総武快速線は、 新小岩駅で起きた人身事故のため大幅な遅れを持って運行しております。」 “人身事故” …

マイティ・ソー

ナタリー・ポートマンを邪魔する組織のくだりはいるか? せっかく浅野忠信が出ているんだから、もう少し活躍させても良かろうに。 映像としては3Dで見ればより迫力はあっただろう。 今週は不作。来週以降に期待。

コクリコ坂から

日本にもかつてあった時代。 今よりもっと人と人の距離が近く、どこか熱を帯びていた時代。 その後ろにある戦争の影。 時代が隔てる価値観の違いはあっても、変わらない普遍的なものもある。 「安いメロドラマ」 そう言ってしまえばそれまでだけれど、 人が…

アイ・アム・ナンバー4

まるで前半と後半で別の作品を見ているかのような印象を受けた。 正直、前半はどうなるかと思った。 宇宙人が高校に入って巻き起こる有りがちなドタバタ劇で終わるのか、 そんな諦めを感じた頃から、一気に物語が動いていく。 クライマックスの戦闘シーンも…

X-MEN ファースト・ジェネレーション

人は平凡であればそれを悩むが、特殊であればそれはそれで悩む。ただ、自分の持てる力を最大限発揮しようとするなら、本来の自分に抗うことではなく、受け入れることだ。直前まで見るつもりもなかったけれど、エンターテイメントとして、なかなか良かった。…

歯医者の帰りに思ったこと

結局、モノやサービスの値段というものは、実に主観的で相対的。 高いか安いかは、その人の心持ち次第。 保険料として年間十数万払っていたとしても、 いざ窓口での支払いが210円だったりすると安いと感じる。 消費税10%になったとしても、 それが当た…

アンダルシア女神の報復

「あんたが組織を裏切ったんじゃない。組織があんたを裏切ったんだ。」 「目を開けて歩かないと、何が正義かわからなくなる。」 今の織田裕二には、「踊る」の痛々しさよりこっちだろう。 黒木メイサの目付きの変わり様は流石。

SUPER8

映画というのは、どう見るかによって印象が変わってくる。 最初からファンタジーと割り切って見ていたら、違った感想を持てたかもしれない。 前半は決して悪くなかったが、中間の以降の展開に知らず知らず見方がブレてしまった。 それ故に、最後のオチに拍子…

親知らず

今日は、親知らずを抜歯してきました。 完全に水平に生えていて、1時間程度の戦い(?)になりました。 それにしても親知らずというのは、何のために生えてくるのでしょうか? もし不要なものを省き最適化することを進化と呼ぶならば、 歯としての機能を果…

BIUTIFUL ビューティフル

余命を宣告された人間は、残された時間をどう生きたいと願うのだろう。 己の欲求を満たすより、誰かのために生きようとする。 たとえ辛くても、そう思える人がいることが幸せなのかもしれない。

127時間

一本の映画を見て、 面白いか面白くないかを判断するには、ある程度見ないとわからない。 ただ、好きか嫌いかという判断は、時に一瞬でわかる。 「これは大好きな作品になる」 最初の数カットでそれを感じた。 「誰もいない荒野のど真ん中で、岩に挟まれ127…

家族狩り

天童荒太作『家族狩り』を読み終えました。 文庫本にして5冊に及ぶ長大な物語。 「家族なんていらねぇよ」 物語の最初の方で、登場人物の一人がそう呟きます。 この言葉が、物語の中心にあるような気がします。 この言葉をゴールにする物語と、この言葉から…

スカイライン―征服―

ここまで中身がないと、逆に気持ちがいい。 文字通り「筋書きのないドラマ」 エイリアンの造形がえげつない割に、やたらに弱い。 アバターのスタッフが、腕が鈍らないように全力で肩慣らしをしている。 これはこれとして、目くじら立ててこき下ろす必要もな…

奇跡

そういえば、子供の頃はよく「奇跡」という言葉を使っていた。 「これ見れたらキセキ」 「これ出来たらイイことがある」 そこになんの根拠が無くても、そう言っていることが楽しかった。 そして、いつの間にか「奇跡」という言葉を口にしなくなる。 「奇跡な…

さや侍

ラストの展開に、「ゾワッ」っと鳥肌がたった。 こうきたか。 確かに父と娘の深い絆の姿が描かれていた。 子供というのは、しっかりと親の姿を見ている。 親があれこれ言葉にしなくても、子供は大事なものをちゃんと受け取っている。 今回は、変化球ではなく…

星守る犬

「人間の人生ってのは、言葉にしたら、図書館に並んでいる本と一緒だ」 「閉じこもる位なら、高望みする人生の方がいい」 犬は臭い。犬はやがて死ぬ。犬も生きている。 犬を取り巻く悲劇というのは、きっとこうした現実から目を逸らす事から生まれる。 「恐…

マイ・バック・ページ

男が生き甲斐を感じるものは、いくらでもある。 女でも、芸術でも。そこに上下なんてない。 左翼の連中は、「世直し」を自分で選んだんだ。 革命なんて道楽だ。 実に、湿度の高い映画だった。 ムシムシするような熱気が画面から伝わってくる。 煙草の煙、街…

阪急電車 片道15分の奇跡

毎日が同じことの繰り返し。 同じ時間に、同じ駅に行き、同じホームに立って、同じ電車に乗る。 そこには、何の出会いもなければ、何のドラマも起こらない。 その途中には、ものすごい数の人が目に映っているはずなのに、 ほとんどの人が記憶の中まで入るこ…

プリンセス・トヨトミ

やたらと感動をさせる方向に描かれているが このようなテイストは、原作の意図するところなんだろうか? 正直、感動することを押し付けられているような印象を受ける。