127時間

一本の映画を見て、

面白いか面白くないかを判断するには、ある程度見ないとわからない。

ただ、好きか嫌いかという判断は、時に一瞬でわかる。

「これは大好きな作品になる」

最初の数カットでそれを感じた。


「誰もいない荒野のど真ん中で、岩に挟まれ127時間生き抜いた男」

文字に起こせばたったの一行。

猛烈に惹きつけるものがあるが、かなりシンプルな題材なだけに、

見るに値する一本の映画という作品にまで昇華させることは容易ではない。

光、アングル、音、小道具、そして音楽。

あらゆる手段を駆使して、見る者を捕える監督の手腕には脱帽だ。



「極限」

不意に訪れるその状況で、人は何を思い、どう行動するのか。


「自分は一人で何でも出来る。だから行き先を誰にも言わなかった。それが大失敗だった。」

と彼は言う。

旅に限らず、自分の目指す先を誰かと共有することの大切さを改めて考えさせられた。


しかし、良かった。

今年のトップ10入りはまず固い。