家族狩り

天童荒太作『家族狩り』を読み終えました。

文庫本にして5冊に及ぶ長大な物語。


「家族なんていらねぇよ」

物語の最初の方で、登場人物の一人がそう呟きます。

この言葉が、物語の中心にあるような気がします。

この言葉をゴールにする物語と、この言葉からスタートする物語。


正直、思いっ切り平手打ちを食らった感覚でした。

家族とは? 愛とは?

結局人は、抽象的でありながら、根本的なこの問題から

いくら目を逸らそうとも、いくら逃れようとも、それは出来ない。

もしかしたら、全ての問題は、ここに帰るのかもしれません。


日々の生活の中では、表立って口に出すことはないことを

考える機会を与えてくれるのが読書の魅力ですね。