SHE SAID/シー・セッド その名を暴け

「システムを糾弾すべきだ。

何故セクハラが蔓延し対処が困難か。」

「狙いはハリウッドの構造的性差別。」

「“断るなら干す”と脅された。

白人男性の“遊び場”ね。」

「大勢に話したけど、誰も何もしなかった。」

「力を合わせれば、

あなたの体験が他の女性を救う。」

「圧倒的な権力者が今も性的虐待を続けている。」

「あなたはヒーロー。悪役ではない。」

「誰にだって秘密はある。」

「現金で黙らせ、加害者は犯行を続ける。」

「裁判で争うには、セクハラ法は弱過ぎる。」

「何より腹立つのは沈黙よ。恐怖で威圧する。」

「数秒で人を破滅させる。皆怯えてた。」

「問題はワインスタイン以上に、

性加害者を守る法システムにある。」

「あの日、私は彼に“声”を奪われた。」

「精神的強要と肉体的強要は違う。」

「不安なのは、記事が出ても、

人々が無関心で、彼が悪事を続ける事。」

「誰にも何も話せない。孤立感に苛まれた。」

「あなたの記事に名前を出して。

私の義務よ。女として。キリスト教徒として。」

 

恐怖で声を上げられない。

声を上げても潰される。

立ち向かうべき敵は、

余りに根深く陰湿で強大だ。

勇気を出して声を上げた者が、

英雄になるか、悪者になるかで、

組織の体質が浮き彫りになる。

内容が真実でも強烈でも、

たった一人の声だけでは非力だ。

力無き声で社会は動かない。

大勢が声を上げ、共感を呼び、

力を結集する事が如何に重要か。

たった一人が動いても何も変わらない。

たった一人からでも動き始めなければ、

変わる可能性は生まれない。

女性が性被害で失う物は計り知れない。

その後の人生を大きく変えてしまい得る。

実名公表を決意した場面では、

相当の葛藤と勇気が想起され胸が震えた。

個人を糾弾し抹殺しても、

社会に深く根付いた体質は消えない。

構造自体を変革しない限り、

悲劇は繰り返される。

社会を動かし変える為には、

衝撃度や感情論だけでは不十分であり、

確たる事実に裏付けられた説得力を要する。

道程は本当に容易では無いからこそ、

困難を成し遂げた勇気と行動に

深い感動を味わう事が出来た。