Winny

「ナイフを作った人を罪に問えるか?」

技術に罪は無い。」

Winnyは未来を先取る技術や。

世界を変える。」

著作権侵害の蔓延が目的。」

「組織の為やったら何をやってもええんか。」

2ちゃんねるの住人は、

金子さんの力になりたい。」

「この国の裁判所は甘くない。

調書にサインしたら全部自分が言った事になる。」

Winnyは、技術テロ、情報テロ。」

「日本の技術者は新しい事に挑戦しなくなる。」

「金子さんは著作者の権利を守る為に作った。」

「幇助は刑事分野でも解釈が難しい。」

「プログラムを止めろというのは、

僕に死ねと言っている様なものです。」

「性急さは命取り。敵が尻尾を見せるまで待つ。」

「金子さんは日本の技術者の為に、

残りの人生を使って欲しい。」

「開発行為が違法というのは、

世界的にも例が無い。」

「辞めるのは簡単やぞ。」

「警察の内部にも

真実を明らかにしたい人が居る。」

「おかしいのは警察が原告になっている事。」

「尋問はライブ。練習が命。」

「嘘を付いている人間に嘘を付いたと言わせる。」

「反対尋問はわざと嘘を付かせて矛盾を突く。」

Winnyは私の表現なんです。

プログラム言語以外に喋る術を知らないので。」

「私を有罪にする事で世の中が良くなるなら、

遠慮無く有罪にして下さい。」

「新しい技術を生み出す事が、

私の技術者としての自己表現であり、

私の社会への貢献方法なのです。」

「日本では一度有罪になってしまうと、

名誉の回復は難しい。」

「悪用を想定して開発する人間は誰も居ない。」

「面白い事を思い付いたから挑戦した。」

 

如何なる技術も道具も使用方法次第で、

武器にも凶器にもなり得る。

技術に罪を認め、開発行為を違法と見做せば、

技術者が新しい挑戦を躊躇するのも当然の帰結だ。

国家権力による逮捕は、

必ず明確な意図を持って為される。

開発者を逮捕する事で、

Winny=悪」という

印象を世の中に植え付け、

Winnyに絡む全ての事象を否定する。

警察の裏金問題を隠蔽する為に

Winnyに罪を着せ、

不当逮捕を行ったとしたら、

許し難い権力の横暴だ。

Winny事件が浮き彫りにする

日本の司法と報道の問題。

逮捕の報道は余りに大きく、

無罪の報道は余りに小さい。

日本に於ける名誉回復の困難性を痛感する。

新しい技術が生み出す問題は、

新しい技術の進歩によって解決し得る。

出る杭を打つ風潮が齎す日本の損失は大きい。

恣意的な権力の濫用で

有能な技術者の未来を奪う罪は重い。

 

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

「父親なんて知らない方が良い事もある。」

「俺も父さんと同じ戦士だ。戦う。」

「皆が家族で此処が家。子供には森が全て。」

「家族だけは絶対に守ってみせる。」

「何処へ行こうと家族が最後の砦だ。」

「忠誠心は大事だ。」

「時のリーダーが消え、

新たなリーダーが生まれる。」

「家族を守る事が父親の役目だ。」

「君達の戦いを持ち込ませない。」

「皆で力を合わせて乗り越えよう。」

「ナヴィの様に食い、飛び、考える。」

「海の道に始まりも終わりも無い。」

「海はあなたの中にも外にも在る。」

「海は全ての家。

生まれる前も死んだ後も。」

「海は与え海は奪う。海は全てを繋ぐ。

生から死まで。闇から光まで。」

「お前は家族の恥さらしだ。」

「どれだけ正当化しようと、

殺す事は新たな殺しを招く。」

「サリー家は一致団結する。

それは弱さであり、大いなる強さだ。」

「人のエネルギーは借り物だ。

いつか返さねばならなない。」

「逃げていても家族は守れない。」

 

異なる他者同士が交わり

結び付く為には、

理解と尊重が必要だ。

排除から融和へ。

森の民と海の民が

互いの差異を乗り越え、

絆を結ぶ過程が胸を打つ。

触媒としての偉大なる海。

無垢な自然が美しい程、

侵略者の凶行が痛々しく罪深く映る。

無機物対有機物の壮絶な戦闘。

無慈悲な非生命体に対する

誇りを懸けた生命体の逆襲。

近代的兵器に原始的武器で

互角に対抗する快感がある。

家族の愛。仲間の絆。生命の重み。

科学や文明の進歩に

相対する概念の持つ

普遍的価値の尊さは、

原始性を纏うアバターだからこそ

表現出来るのだろう。

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け

「システムを糾弾すべきだ。

何故セクハラが蔓延し対処が困難か。」

「狙いはハリウッドの構造的性差別。」

「“断るなら干す”と脅された。

白人男性の“遊び場”ね。」

「大勢に話したけど、誰も何もしなかった。」

「力を合わせれば、

あなたの体験が他の女性を救う。」

「圧倒的な権力者が今も性的虐待を続けている。」

「あなたはヒーロー。悪役ではない。」

「誰にだって秘密はある。」

「現金で黙らせ、加害者は犯行を続ける。」

「裁判で争うには、セクハラ法は弱過ぎる。」

「何より腹立つのは沈黙よ。恐怖で威圧する。」

「数秒で人を破滅させる。皆怯えてた。」

「問題はワインスタイン以上に、

性加害者を守る法システムにある。」

「あの日、私は彼に“声”を奪われた。」

「精神的強要と肉体的強要は違う。」

「不安なのは、記事が出ても、

人々が無関心で、彼が悪事を続ける事。」

「誰にも何も話せない。孤立感に苛まれた。」

「あなたの記事に名前を出して。

私の義務よ。女として。キリスト教徒として。」

 

恐怖で声を上げられない。

声を上げても潰される。

立ち向かうべき敵は、

余りに根深く陰湿で強大だ。

勇気を出して声を上げた者が、

英雄になるか、悪者になるかで、

組織の体質が浮き彫りになる。

内容が真実でも強烈でも、

たった一人の声だけでは非力だ。

力無き声で社会は動かない。

大勢が声を上げ、共感を呼び、

力を結集する事が如何に重要か。

たった一人が動いても何も変わらない。

たった一人からでも動き始めなければ、

変わる可能性は生まれない。

女性が性被害で失う物は計り知れない。

その後の人生を大きく変えてしまい得る。

実名公表を決意した場面では、

相当の葛藤と勇気が想起され胸が震えた。

個人を糾弾し抹殺しても、

社会に深く根付いた体質は消えない。

構造自体を変革しない限り、

悲劇は繰り返される。

社会を動かし変える為には、

衝撃度や感情論だけでは不十分であり、

確たる事実に裏付けられた説得力を要する。

道程は本当に容易では無いからこそ、

困難を成し遂げた勇気と行動に

深い感動を味わう事が出来た。

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY

「この時代で最高の歌声を聴いた。」

「私を挑戦させる曲。凄い曲は凄いでしょ。」

「最高の歌声の為の曲を作らせる。」

「“らしさ”は捨てろ。

ニッピーのままじゃ売れない。」

「ホイットニーは、年齢、人種、文化を超えた。」

「君は黒人アーティストの魂を売った。」

「私は歌うだけ。音楽に人種も国境も関係無い。」

「自分のやり方で表現する。それがアートよ。」

「ママの夢はブランドになる事だ。」

「ホワイティ・ヒューストン。」

「オレオ呼ばわりよ。」

前人未到の道を歩け。」

「最初の成功者は妬まれる。」

「歌詞に共感しないと心が入らない。」

「俺の前では1秒でもスターでいる必要は無い。

素顔でいろ。世間と闘おう。」

スーパーボウルよ。私らしく。」

「一生分の凄い事をやり尽くした。」

「偉大な歌手には相応の曲が必要だ。」

「お前はブラウン夫人だ。」

「煙草を吸うのは、

ストラディヴァリウスの雨ざらしと同じだ。」

「黒人女性は皆疲れている。」

「お姫様がいつも夢見るのは家で子供と寛ぐ事。」

「私にボスはいない。父親だっていない。」

「不幸になるより一人の方が良い。」

「人前で輝けば、人々は神と崇める。」

「甘く見ちゃいけない。麻薬は死を齎す。」

「悲し過ぎるよ。全てを危険に晒すのは。」

「白人にも人気の初の黒人歌手。

代わりに多くのものを失った。」

「麻薬は神と歌う為の梯子。」

「死はゆっくり訪れる。

生き急ぐ必要は全く無い。」

「あなたに求めたのは家庭よ。」

「私は歌手よ。歌いたいの。」

「自慢のママになるから。」

「愛してる。宇宙が続く限り。」

「美しさは変わらない。声も変わらないはず。」

「手に入れた後も愛には努力が必要。」

「愛に報いる事に大きな歓びを感じながら歌う。」

 

 

黒人らしく在ろうとすれば売れない。

黒人らしさを捨てれば、

魂を売ったと非難される。

アイデンティティの確立が

如何に困難であったか。

黒人らしさでもなく、白人らしさでもなく、

彼女が見出した答えは、自分らしさ。

スーパーボウルでジャージ姿で

熱唱する姿は最高に格好良かった。

成功の裏側にある苦悩や喪失は、

成功者にしか分からないのだろう。

彼女は無理矢理にでも輝く事で、

壊れそうな自分を

必死に保っていたのではないか。

彼女が欲しかったのは、

輝きよりも安らぎだった様にも思う。

痛々しくも眩しい光は、

彼女自身を救えなかったかも知れない。

それでもその光に救われた人間は、

確かに大勢存在する筈だ。

その事実で彼女が報われる事を願う。

ラストのステージは、

彼女の全てを全肯定したくなる程の

圧巻の迫力だった。

魂の震える歌声が存在する事を心底実感した。

ある男

「脛に傷の無い奴なんていない。」

「(離婚してたの)知ってたら怖い。」

「最期まで色んな人に迷惑かけて。」

「大祐じゃないです。全然違う人。」

「じゃあこの人、誰なんです?」

「そんなに仕事が嫌なら、

逃げればいいじゃない。」

「正常な判断が出来ない程、

追い詰められていたんです。」

「顔だけは絶対変えちゃ駄目。」

「何で大祐の過去を欲しがったんですかね。」

「私は一体誰の人生と一緒に生きて来たのか。」

「過去を洗い流したい人間は一杯いる。」

「在日っぽく無い事は、在日っぽいという事。」

「また名字変わるの?僕次誰になればいいの?」

「犯罪者が描く絵って、

自分はそんな人間じゃないって叫んでる感じ。」

「人間は変わり得ないという立場で国家は

死刑を執行する。ただ人間は変わり得る。」

「家庭環境が人生に影響する。」

「人殺しの子なんて所詮つまらん男ですよ。」

「やっぱ親父の血継いでんだな。」

「親は親。子は子だし。」

「俺ボクシングでこの体を虐めてるんです。」

「今のお前の家族は俺達だろ。」

「他人の人生を追い掛けてると気が紛れる。」

「どんな境遇でも良いから、今の自分を捨てて、

新しい自分として生き直したい。」

「名前を変えても死刑囚の息子。」

「過去が消せないなら、

分からなくなるまで上から書くんだ。」

「本当の事を知る必要は、

無かったのかも知れない。」

「この街で彼と出会って好きになった事は、

はっきりとした事実ですから。」

林業は自分で植えた物は伐れない。

親が植えて息子が伐る。」

「好きに生きるのが一番ですね。

自分の人生は自分のものですから。」

 

嫌なら逃げれば良い。

口で言う程簡単ではない。

自分では無い別の誰かとして人生を生き直す。

人間誰しもが抱き得る願望だ。

但し周囲の人間の心には、

正体不明の人間と共に過ごした

時間の分だけ空白を生んでしまう。

正体を偽った本人だけではなく、

共に生き残された人間の視点からも

考えを巡らせられたのは良かった。

真実が事実よりも幸福とは限らない。

辛い真実より幸せな事実を支えに生きて行く。

それは逃避として非難されるべきではなく、

肯定的に受け入れられるべき生き方なのだろう。

自分は何者か。

胸を張って言える人間ばかりではない。

望まぬ自分自身と必死に折り合いを付けて、

懸命に生きる人間を包摂出来る

人間であり世の中でありたいと願う。

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー

「ヴィヴラニウムに危険があるのではない。

あなた方に危険があるのです。」

「いつか人工知能に皆殺しにされるわよ。」

「若くて才能があって黒人なのは、

私のせいじゃない。」

「死は終わりではない。」

「大切なのは何故かだ。」

「海で暮らし戦争と疫病から遠ざかった。」

「誰しも愛する者を失う。」

「深い傷を負った者だけが偉大な長になれる。」

「一緒に世界を燃やさないか。」

「死者を埋め、そして弔え。」

「兄貴の様に気高いのか。やる事をやるのか。」

「復讐の為に戦っても穴は埋まらない。」

「地上世界がワカンダを襲う時、

彼等は我々を頼る。」

 

戦争の根源は搾取だ。

搾取された側は守る為に立ち上がる。

長に必要なのは、悲しみを知る心。

喪失の克服こそが人を強く成長させる。

シュリの闘いと成長に胸を打たれた。

戦争は善と悪の戦いとは限らない。

各々の正義同士の戦いでもある。

ワカンダが善で、タロカンが悪ではない。

故に戦いの後に絆が生まれる。

超技術と超能力の対決は、

異種格闘技の様な見応えがあった。

ストーリーもアクションも予想以上で

時間の長さを感じさせない良作だった。

RRR

「権利を請う必要は無い。」

「影を踏まれた蛇は二度と現れん。」

「一方の手で守り、もう一方の手で殺す。」

「話したければ頭で考えても駄目だ。

行動に移せ。」

「誰が嫌いな男のバイクに乗るか。」

「瞳の奥でいつも何かを探してる。」

「奴等には人の悲しみや涙の痛みが

分からねえんだ。」

「兄貴との日々は俺の宝だ。」

「お前が立派な武器だ。」

「銃弾の真価を示せ。」

「味方にすべき人を敵に回し、

親友も裏切った。」

「全村人に武器を握らせると約束しろ。」

「銃の無い革命を知った。」

「ビームの歌声は民衆を武器に変えた。」

「勇気が私を奮い立たせる。」

「責務とは行為であり結果に非ず。」

「何があっても目的を見失うな。」

「警察官になったのは解放闘争の為。」

「俺はマッリを救ったが、

あの人は祖国を救おうとした。」

 

銃だけが革命を起こす訳では無い。

一人の男の勇気と行為が

民族の誇りを呼び覚まし、

闘志に火を着ける。

非道な圧制者に対して、

敢然と立ち向かう姿は、

否応無く胸を熱くさせる。

虐げられた体験を共有出来る者ならば、

熱狂するのも当然だ。

大義の為とは言え、

敵の軍門に下る闘争は精神的に苦しい。

歌有り、踊り有り、アクション有り。

観客を存分に楽しませる要素は最高だ。

且つ屈しない信念や立ち向かう勇気等、

熱いメッセージを心に刻んでくれる作品だった。