奇跡

そういえば、子供の頃はよく「奇跡」という言葉を使っていた。

「これ見れたらキセキ」 「これ出来たらイイことがある」

そこになんの根拠が無くても、そう言っていることが楽しかった。

そして、いつの間にか「奇跡」という言葉を口にしなくなる。

「奇跡なんか起こらない」と思い知るのか、

「奇跡なんか当てにしてはいけない」と言い聞かせているのか。

今回この映画を通して、久しぶりに「無垢」なものに触れた気がした。

子供は子供なりにいろんなものを抱えている。

それでも「奇跡」を信じて行動することで、瞳が輝いてくるものだ。



それにしても、まえだまえだの「いい時期」を見事に捉えている。

責任感を自覚し始める兄と、無邪気な中で思いを巡らす弟。

要所要所に出てくる豪華な役者人も映画を引き締めている。

また画作りも、カメラがあって日常を演じるというより、

日常があってそこをカメラで覗いているような質感がある。

子役も自然体。

安易にマネをすると危険かも。