2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

BIUTIFUL ビューティフル

余命を宣告された人間は、残された時間をどう生きたいと願うのだろう。 己の欲求を満たすより、誰かのために生きようとする。 たとえ辛くても、そう思える人がいることが幸せなのかもしれない。

127時間

一本の映画を見て、 面白いか面白くないかを判断するには、ある程度見ないとわからない。 ただ、好きか嫌いかという判断は、時に一瞬でわかる。 「これは大好きな作品になる」 最初の数カットでそれを感じた。 「誰もいない荒野のど真ん中で、岩に挟まれ127…

家族狩り

天童荒太作『家族狩り』を読み終えました。 文庫本にして5冊に及ぶ長大な物語。 「家族なんていらねぇよ」 物語の最初の方で、登場人物の一人がそう呟きます。 この言葉が、物語の中心にあるような気がします。 この言葉をゴールにする物語と、この言葉から…

スカイライン―征服―

ここまで中身がないと、逆に気持ちがいい。 文字通り「筋書きのないドラマ」 エイリアンの造形がえげつない割に、やたらに弱い。 アバターのスタッフが、腕が鈍らないように全力で肩慣らしをしている。 これはこれとして、目くじら立ててこき下ろす必要もな…

奇跡

そういえば、子供の頃はよく「奇跡」という言葉を使っていた。 「これ見れたらキセキ」 「これ出来たらイイことがある」 そこになんの根拠が無くても、そう言っていることが楽しかった。 そして、いつの間にか「奇跡」という言葉を口にしなくなる。 「奇跡な…

さや侍

ラストの展開に、「ゾワッ」っと鳥肌がたった。 こうきたか。 確かに父と娘の深い絆の姿が描かれていた。 子供というのは、しっかりと親の姿を見ている。 親があれこれ言葉にしなくても、子供は大事なものをちゃんと受け取っている。 今回は、変化球ではなく…

星守る犬

「人間の人生ってのは、言葉にしたら、図書館に並んでいる本と一緒だ」 「閉じこもる位なら、高望みする人生の方がいい」 犬は臭い。犬はやがて死ぬ。犬も生きている。 犬を取り巻く悲劇というのは、きっとこうした現実から目を逸らす事から生まれる。 「恐…

マイ・バック・ページ

男が生き甲斐を感じるものは、いくらでもある。 女でも、芸術でも。そこに上下なんてない。 左翼の連中は、「世直し」を自分で選んだんだ。 革命なんて道楽だ。 実に、湿度の高い映画だった。 ムシムシするような熱気が画面から伝わってくる。 煙草の煙、街…

阪急電車 片道15分の奇跡

毎日が同じことの繰り返し。 同じ時間に、同じ駅に行き、同じホームに立って、同じ電車に乗る。 そこには、何の出会いもなければ、何のドラマも起こらない。 その途中には、ものすごい数の人が目に映っているはずなのに、 ほとんどの人が記憶の中まで入るこ…