星守る犬

「人間の人生ってのは、言葉にしたら、図書館に並んでいる本と一緒だ」

「閉じこもる位なら、高望みする人生の方がいい」



犬は臭い。犬はやがて死ぬ。犬も生きている。

犬を取り巻く悲劇というのは、きっとこうした現実から目を逸らす事から生まれる。

「恐れずに愛してやればよかった」

この台詞のように、生ある物から何かを享受しようとするなら、

「命」を恐れたり、「命」から逃げてはいけない。

物言わぬ犬と対峙した時、そこに見るのは、自分自身なのかもしれない。



確かに西田敏行は全身から味が出ているし、

行く先々で出会う人々も個性的で存在感がある。

ただ、全体としては淡泊で涙するには至らなかった。