シャンハイ

「魔都」

開戦前夜の上海は、そう呼ぶに相応しいと聞いたことがある。

あらゆる人間が行き交い、混沌の中にあった街は、異様な熱を帯びていたはずだ。

ストーリーはともかく、その空気を見たかったと言える。


話はずれるが、

一口に「戦争」と言っても、そこから広がる世界は限りなく広い。

どこから、何を見るかによって、光の映り方も、影の出来方も違ってくる。

それでも今、無性に戦争というもの姿を知りたいという衝動に駆られている。

日米開戦から今年で70年。

その時間の隔たりが、長いのか短いのか、感覚が曖昧になりつつある。

それでも、戦争の存在なくして戦後があるはずもなく、

そこを知ることで、今に繋がる諸問題の根幹を知ることが出来ると改めて思う。