半世界

「三十九歳。諦めるには早過ぎて、焦るには遅過ぎる。」

「こんな田舎にいじめなんて無いだろ。」

「お前が明に関心も興味も無い事、あいつにもバレてんだよ。」

「俺達は二等辺三角形じゃなくて正三角形。」

「お前は俺達がいなくても戻って来たか。」

「あいつは自分の選択が間違ってなかった事にするのに必死で、お前に気が回らないんだ。」

「お前の事はお前より知ってる。」

「お前達は世間しか知らない。世界を知らない。」

「言っとくけど、こっちも世界なんだよ。いろいろあるんだよ。」

「お父さんはお父さん。あなたはあなた。でないと私が困る。」


帰る場所は土地ではなく人。

その人がいるからその場所に帰る。

時を経ても屈託無く笑い合える友がいるのは良いものだ。

これまで自分が見て来た世界。

今自分が見ている世界。

それは全世界の一部に過ぎないのかも知れない。

だからと言って、その世界が簡単な訳でも、否定されるべきでもない。

その世界の中でもいろんな事が起こり思い悩む。

どんな世界であれ、その中で懸命に生きる姿は尊い

予想より深く刺さるものではなかったのは残念だった。