TAP THE LAST SHOW

「時間を守れない奴にチャンスはない。」

「チャンスに二度目は無い。」

「大切なのは金だけじゃない。金の前に大切なものがある。覚悟だ。」

「あいつに見た事の無い世界を見せてやりたい。

あいつなら客も一緒につれていける。」

「客が一人でもやる価値がある。

伝説の男の指導を受けた事が、彼らの財産になる。」

「俺が語る事は無い。ショウが全てを語っている。」


TAPとは、ある意味シンプルだ。

踊れるか、踊れないか。

そのどちらかしかない。

最初のオーディションシーン。

一切の説明も無く、ひたすら踊らせて、着いてこられた者のみを残す。

理屈ではないその力強さに心打たれた。

ショウを映画にする場合、やはり肝は「ショウ」だ。

どれだけ手前の部分が良くても、ショウが偽物では冷めてしまう。

今作なら、主役はあくまで「タップ」。

役者が踊るのではなく、ダンサーが踊るからこそ本物になる。

確かに、「ショウ」の部分は独立したものとも言える。

ただ、そこを変な小細工を入れずに、たっぷりと見せてくれたのは良かった。

言葉は無くとも、見る者を惹き付ける圧倒的なパワーがあった。

これが出来たのも、タップに対する熱い想いと信頼を監督自身が持っていたからだろう。