ウエスト・サイド・ストーリー

「俺が何者かなんて誰も気にしない。」

「最後に残るのは仲間だ。」

「戦うか踊るか。」

「今夜全てが始まる。

あなたと出逢って世界が変わる。」

「 NYに来たからには、人生を変えたい。」

「喧嘩は止められない。奴等の生き甲斐だ。」

「最凶のワルだって実はいい子。」

「死すらも二人を分かちはしない。」

「俺達がこの街に居るのは、

他に居場所が無いからだ。」

「人殺しに愛など無い。血も涙も無い。」

「ナメられて誇りを失うなら馬鹿だ。」

 

社会から虐げられた者にとっては、

仲間と喧嘩が自身の存在証明になる。

止めたくても止められない。

闇雲に否定する事は、

余りに彼等に対する理解が足りない。

限られた居場所の奪い合いが争いを生む。

暴力による争いは、

否応無く悲劇を招いてしまう。

但し悲劇を招いてしまった人間が

必ずしも悪人とは限らない。

正すべきはやはり人間よりも

暴力という行為そのものだ。

だからこそ、

ダンスによる喧嘩を見た時に

深い感動を覚えたのかも知れない。

あれ程幸福感に満ちた争いも無い。

ダンスの持つ表現力の豊かさを

改めて実感した。

美しく揃った圧巻のダンスシーンを

見られただけでも、

本作を観た甲斐があった。