花戦さ

「武士ならば、茶の事、花の事、人の事を大切に思え。」

「茶とはつかの間。それが生きるという事。」

「一輪で伝わるは、多くより心深し。」

「黒が一番好きだ。懐が深いから。」

「花には仏が宿る。生きとし生ける者の思いを伝える力で力がある。

それは、刀を鞘に納める力だ。」


生け花とは、まさに多様性の象徴だ。

様々な色や形の花々が渾然一体となって一つの世界を作り上げる。

社会もまた様々な人々が混ざり合う事で成り立っている。

自分と合わない者を排除しようとすれば、当然社会は彩りを失う。

刀でも、言葉でもなく、花をもって権力者と対峙し、過ちを諌める。

まさに芸術家だからこそ出来る、命を懸けた戦さだった。