アメリカン・スナイパー

「人間には3種類いる。羊と狼と番犬だ。」

「戦争で影響を受けない人間はいない。」

「俺は殺した人間の事を、神に説明出来る。」


戦争にどれだけの大義名分があろうとも、

戦場で引き金を引くのは、一人の人間の決断にかかっている。

たとえ敵であろうとも、何も考えず引く事は出来ないのだろう。

祖国のため、仲間のため、そして家族のため。

その一発を正当化させる様々な理由を思い描いて初めて、その引き金を引ける。

一発の銃撃が持つ重みが伝わってきた。

撃たざるを得ない状況を回避出来た時に見せた、

心底ホッとした表情にもそれが見てとれた。

殺した人間の数が多ければその分個々の重みが軽くなるわけではなく、

その蓄積された分だけ、のしかかるものも大きい。

罪の意識に均衡するだけの言い訳がなくては、とても正気を保てないのかもしれない。

音の無いエンドロールには、厳粛な気持ちにさせられた。