猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)

「俺がお前の家族を殺したのは戦争行為だ。

お前が俺を殺せば、個人的復讐だ。」

「俺はコバだ。コバは憎しみに囚われている。」

「エイプは強い。俺がいても、俺がいなくても。」

「息子はいずれ分かる。誰が父親なのか。

シーザーがエイプの為に何をしたのか。」


どちらが善で、どちらが悪か。

突き詰めれば、その判断は、どちらの行為が正しいかに拠る。

もはや人間だから、猿だからという問題ではない。

シーザーが何処までも人格者であるが故に、

見る者は、エイプの側に感情移入をしていくのだろう。

家族を殺され、憎しみに囚われながらも、

それでも復讐を思い止まった彼の姿は、

ある意味、美し過ぎるもある。

ただ、対立の構図という点では、

猿対人間なのか、人間対人間なのか、

やや焦点がぼやけた感は否めない。

目は口程にものを言う。

本作でもそれは十分に味わえた。