ぼくたちの家族

「兄貴は家族に問題があって大変だって顔してるけどさぁ、

とっくにこの家族なんてぶっ壊れてんだ。」

「いろいろあるけどさ、お母さん助けなくちゃな。」


強い家族とは何か?

強い人間が集まれば、強い家族になるわけではない。

家族の強度ってのは、そういうものではない。

ダメな人間はダメなりに、弱い人間は弱いなりに、

それでも一つにまとまっていけるというのを、

家族の強さと言えるのかもしれない。

家族とは脆く壊れやすく、それでいて簡単にバラバラにはなれない。

落ち着いて淡々としたトーンなだけに、

より等身大の「家族」というのを見る事が出来た。


それぞれがいろんなものを背負っていたが、

中でも次男・俊平が良かった。

一見、軽そうに見えて、実は誰よりも家族の事を見ているのが伝わった。


何とか取りこぼさずに、わざわざ見に来た甲斐があった。





弱くても、何も無くても、それでも帰れる場所。

それが家族だ。