MINAMATA ミナマタ

「患者の闘いを世界に注目させたい。」

「何事にも期限がある。急がないと。」

「企業が隠蔽した。病気そのものより大事件だ。」

「家族の絆は強い。」

「カメラを持つと力が湧いてくる。」

「人生はジャズそのもの。即興が全てだ。」

「人間は、失敗を通してしか学べない。」

「君自身の音楽を奏でてこい。」

「写真は撮る者の魂も奪い取る。

写真家は無傷ではいられない。」

「瞳の奥にあるものを撮りたい。そこに真実があるんだ。」

「感情に流されたら負けだ。伝えたい事だけに集中するんだ。」

「彼等は、社会全体の利益の前には無に等しい。」

「ここで起こっている事は、日本人に任せておけ。

余所者の出る幕は無い。」

「飢えこそが俺を突き動かす原動力だ。」

「欲しいのは、君にしか撮れない写真だ。」

「強い者が弱い者を痛め付ける。どの国もどの写真も同じだ。」

「記憶なんて人を苦しめるだけの悪夢だ。」

「親密な家族との時間を共有させてくれれば、

あなた達の闘いを手伝う事が出来る。」

 

強者が弱者を痛め付け、事実を隠蔽する。

水俣で起こった事は、

水俣市だけに日本だけに限った事では無い。

全世界共通の普遍的な問題を孕んでいる。

だからこそ日本人でなくとも描き出せる。

写真は、撮る者の魂をも奪い取る。

ユージンが自分の名声の為に、

傍観者として水俣に関わったとしたなら、

幾ら写真が素晴らしくとも

釈然としないものが残ったかも知れない。

「余所者なのに」ではなく、

「余所者にも関わらず」、

自ら身を削って、傷付いて、

埋もれてしまいそうな現実を

伝えてくれた事に感謝したい。

どれだけ悲惨な事実も、

知られなければ存在しない事と同じになる。

一枚の写真が世界を変える。

その言葉を信じられる様な

写真であり、映画であった。