ライフ・オブ・パイ

「複数の宗教を信じることは、

何も信じていないのと同じことだ。」

「人生とは、手放すことだ。

一番悲しいのは、別れを言えずに終わることだ。」


壮絶なシチュエーションだった。

何故、トラ共に漂流して生き延びることが出来たのか?

その問いは、

「トラがいたからこそ生きられた」という答えになって返ってくる。

トラの存在が恐怖となり、緊張感を生み、生への糸を繋ぎとめたのだろう。

絶望的な状況においては、気力の維持こそが生を引き寄せ、死を遠ざける。

という流れの中で、最後に語られるもう一つのストーリー。

なるほど、そういうことかと納得感もある。

しかし、本作の映像の美しさは想像以上だった。

現実よりも精神世界の表現するからこそ、描き出せたのだろう。