ディア・エヴァン・ハンセン

「良い思い出を否定しないで。」

「必要なのは、ちょっとの自己改革。

なりたい自分になれると信じれば良い。」

「レクイエムは歌わない。」

「何故嘆きの妹を演じなきゃいけない?」

「悪者が倒れても、王国は悲しまない。」

「君は知らない。

その笑顔が人を幸せにする事を。」

「匿名の子達は、自分で自分を壊したい。」

「秘密は隠さなきゃと思い込んでいる。

必要なのは、秘密を打ち明けられる相手。」

「秘密の隠し方は上手でも楽な訳じゃない。」

「君は独りじゃない。

きっと見つけてくれる人がいる。」

「あなたに友達がいて嬉しい。」

「好きになるのに説得は必要無い。」

「あなたがいて私がいる。必要なのはそれだけ。」

「息子は施しに頼って欲しくない。」

「正しさなんて無い。僕のした事に。」

「最悪の自分は、絶対に人に見せちゃいけない。」

「あなたに出会いたかった。今日初めて。」

「隠さずに正直にいればもう十分だ。」

「前に進んで行こう。」

 

嘘が人を幸せにする光景を目の当たりにした。

人を幸せにする嘘なら許されると思えた。

この感動を味わえたのなら、

最高点が出るものと信じて疑わなかった。

唯一人を救う為の行為が、

思わぬ共感を呼び、瞬く間に拡散していく。

秘密や苦悩を一人で抱え込んでいる内は、

孤独でしかない。

ただ思い切って打ち明けた秘密が

共感を呼び受け入れられる事は、

誰もが同じ悩みを抱えている証拠だ。

同じ悩みを自分以外も抱えていると知る事ほど、

孤独から解放される事は無い。

一気に共感の輪が拡散されていく場面は、

震える程の感動を味わい涙が溢れた。

ネットの持つ光と影。

正のエネルギーが拡散する力が凄まじければ、

負のエネルギーが拡散する力も又凄まじい。

嘘が発覚し夢から現実へ引き戻される。

やはり現実は厳しい。

たとえ嫌いでも本当の自分と向き合い、

其所から踏み出す一歩出なければ、

未来は開けない。

正直、前半から後半にかけて、

膨らんだ感動は萎み、溢れた涙は乾いた。

確かに多幸感に包まれたままの

結末では無かった。

但し真実に立脚した結末だった。

嘘から生まれた物語でも、

味わった感動は本物だ。