グリンチ

「クリスマスの匂いね。」

「この時期、村人は一番嘘をつく。」

「孤独の方がマシだ。」

「クリスマスは一年で一番苦しい日。」

「ママを助けられるのはサンタさんしかいない。」

「友達だから助けた。みんなが大事なものは、私にも大事なものだから。」

「サンタさんは人を幸せにするんでしょ。みんなが幸せじゃなきゃ。」

「盗んだのは物だけ。クリスマスはここ(心)にある。」

「嫌いなのはクリスマスじゃない。一人ぼっちでいる事だ。」

「この世で一番大事なもの。優しさと愛に乾杯!」


クリスマスだからと言って、誰もが幸せとは限らない。

世界に幸せが溢れる程、孤独を募らせる者もいる。

クリスマスに八つ当たりするグリンチの捻れた心を解きほぐしたのは、

少女のほんの些細な一言であり笑顔であった。

何年もこじらせていた割には、あまりにあっさりとした解決だった。

ただトラウマやコンプレックスというのは、

得てして些細なきっかけで解決出来るものなのかも知れない。

自分の心の持ち様で、世界の見え方も変わる。

孤独なグリンチも本当の一人ぼっちではなかった。

マックスがいた。二人ぼっちだった。

マックスの存在も支えになった事だろう。

優しさの力に救われる作品だった。