去年の冬、きみと別れ

「この仕事は事実を一つずつ積み重ねる事だ。」

「何も事実を掴んでいない。それでは1ページも書かせられない。」

「人間が燃えている時の炎の色がどれだけ美しいか。」

「これで私たちを刺して。それで私たちは自由になれる。」

「何も見えていないのは、あなたよ。」

「あなたは、恋人を殺した女を抱いたのよ。」

「これからは別人として生まれ変わる。だから、生きろ。」

去年の冬、きみと別れ、僕は怪物になる事を決めた。」


巧みに思い込ませ、それを華麗に覆す。

それを鮮やかにやられると、堪らない快感を覚える。

一つの筋書きに沿って話が進む中で、後ろにもう一つの筋書きが潜んでいる。

それが顔を出した時の不気味さがまた心地良くもある。

ストーリーにしろ、登場人物にしろ、無駄が無い。

それぞれが重要な役割をになっており、それが巧みに絡み合うから抜群に面白い。

やはり物語自体に力がある作品は強い。

さらにその魅力を倍加させる演技も良かった。

岩田氏の声がまた良かった。