アクト・オブ・キリング

「殺人は最悪の犯罪だ。

カギは、罪悪感なしにやる方法を見つける事だ。」

戦争犯罪は勝者が規定する。俺は勝者だ。」


人を殺した人間が、その後の人生を笑って生きる事は出来るのか。

戦争とは、勝った者が善で、負けた者が悪だと規定する。

笑うために、笑うことで、過去に自分の犯した事を必死に正当化しようとする。

時に事実を隠し、時に事実を捩曲げて。

そうしなければ、真正面から事実と向き合えば、事実に押し潰されてしまうからだろう。

人にとって、最も演じ難い存在がいるとしたら、それは自分自身なのかもしれない。

それは、見たくない自分と向き合わなくてはならないからだ。

話が進むに連れて、主人公から笑顔が消えていく。

自覚しながら、ごまかしていた過去に捕まったからだろう。

殺人犯に過去に自分の犯した「正当化された殺人」を演じさせる。

口から手を突っ込んで、心臓をわしづかみにする様な作品だった。