許されざる者

「刃の前に命を晒せば、臆した者が殺される。」

「勝って生き残った者が正義で、負けて死んだ者が悪。

記録ってのはそういうもんだろ。」


人を殺める時に、人は理由を欲する。

理由なく殺めれば、背負うべき罪も重くなる。

ただ全ての罪を帳消しにする理由など存在するのか。

存在しないからこそ、

生き続ける限り、苦しみから解放されることはないのだろう。


終始画面から放たれる緊張感は大したものだ。

画面に映る全てのものがそれを乱さない。

何かを足すというよりも、何も引かず、邪魔をしない。

そうやって張り詰めたような画が作り上げられているのを感じた。