七つの会議

「どんな手を使ってもいい。徹底的に売って、売って、売って、売り倒せ!

死に物狂いで数字を上げろ!」

「あんたみたいなお荷物は、生きてる価値すら無いんだよ。」

「上司に逆らいたくても出来ないのがサラリーマンだ。」

「会社のルールを乱す奴は、会社のルールで叩き潰す。」

「ノルマの達成がサラリーマンの全てだ。」

「私は警察官じゃないし、ここは裁判所じゃない。知りたいのは真実だけだ。」

「会社に逆らうのがこんなにも恐いとは。これは俺達に課せられたノルマだ。」

「これは個人の罪か、組織の罪か。」

「不正は絶対に無くならない。」

「会社の常識が世間の常識よりも強くなる。」

「悪い事は悪い。人の命が何より大事だと言い続けるしかない。」


悪を働いた者の背後には、悪を働かせた者がいる。

更にその背後には、一人の人間を超えた会社という組織の魔物がいる。

真の悪は誰か?

それが揺れながら進展していくのがもどかしくも面白い。

組織か個人か?

地位か信念か?

両者を天秤にかけた時、どちらを選ぶべきか。

実際に選べるかどうか。

会社で働く上で重く突き付けられる問いだ。

何処を見ても名優ばかりの演技のぶつかり合い。

それを見られる贅沢な多幸感を味わう事が出来た。