モーリタニアン 黒塗りの記録

「無実かどうかは関係無い。拘束の不当性を証明するだけ。」

「教会より操縦席の方が神に近い。」

「生きる者に信仰を。逝く者に信仰の中の死を。」

グアンタナモは、いずれ観光スポットになる。」

「私は法の支配を擁護する。」

「テロ容疑者の弁護士は、テロ支援者と言われる。」

「権利を守る為に闘う。」

「人権保護請求に遅滞は許されない。」

「疑念を抱いたままでは、裁判は勝てない。」

「真実を知らないと弁護出来ない。」

「弁護される権利はある。」

「誰かが報いを受けなければ。だが、誰でも良い訳ではない。」

「私はキリスト教徒で法律家です。

憲法を擁護すると誓った。真逆の事をしている。」

「神は与えた使命に必ず報いて下さる。」

「収容所を彼処に造ったのは、

被拘禁者ではなく、看守を司法から遠ざける為よ。」

アメリカが恐怖で私を支配するとは思わなかった。」

「この場を導くのが法だと信じる。恐怖じゃない。」

 

大勢が怒り悲しんでいるから、

誰かが報いを受けなければならない。

誰かが罰を受けなければならないから、

誰でも良いから罰する。

たとえ感情的には最もだとしても、

この論理はとても法の支配とは呼べない。

求めるものが有罪であれ無罪であれ、

必要なのは正当性だ。

そして正当性の鍵を握るのが真実だ。

求める結論の為に、真実を捻じ曲げたり、

存在しない真実を捏造する事があってはならない。

罪があるから罰するのではなく、

罰する為に罪を作るのでは、

本末転倒と言う他は無い。

本件において弁護側も検察側も

感情に流されず法に対して忠実で

あろうとした事に敬意を表したい。

国民全員が同じ方向を向いている中で、

一人だけでも反対の方向を向く事は、

相当に勇気が必要だろう。

法律家の毅然とした在るべき姿を見た気がした。