燃えよ剣

「喧嘩する相手を選べ。変革のど真ん中で剣に生きよ。」

「京での仕事は、腕と刀で生死が決まる。」

「武士は主君の為に死ぬ。それが士道だ。」

「朕は会津を最も頼みにしている。」

「時勢に乗った飯は美味いぞ。」

「隊の名を汚した者は斬る。」

「近藤さんは、新選組てっぺんの顔だ。

天下の武士の鑑で在ってくれ。」

「芹沢は酒と女で悲しみを忘れた。」

「俺の生き方は、女を不幸にする。」

「土方さんはたった一つの命で、

たった一つの詩を書いている。」

「攘夷も大事だが幕府はもっと大事だ。」

「バラガキの筋を通したら新選組になった。」

「俺は職人だ。新選組を日本一の狷介に育てたいだけだ。」

「刀はどんな美人よりも美しい。」

「どうなるは婦女子の思案だ。男はどうするだけだ。」

「お前は新選組を作った。俺をも作った。もう解放させてくれ。」

 

新選組は脆い組織だ。

箍が緩めば瓦解してしまう烏合の衆。

だからこそ、正しく輝く顔と

非情な鉄の掟を必要とした。

光と影。温厚と冷酷。

一人の人間が相対する

双方の役割を担う事は難しい。

近藤勇という顔を汚す事無く、

清く正しく保つ為に、

憎まれ役を引き受けた土方歳三

芹沢鴨の暗殺も、山南敬助の処刑も、

新選組を誠の組織にする為には、

避けては通れぬ道だった。

近藤勇さえも土方歳三が作ったとすれば、

土方歳三の生き様こそ、

新選組の核心だったに違いない。