るろうに剣心 最終章 The Beginning

「斯様な女子を幸せにする為の尊皇攘夷だ。」

「刀の有る無しで、

殺して良い人間とそうでない人間ですか。」

「時代を変える為に、我々は狂わねばならない。」

「時代を前に進める為に、

誰かが太刀を振るわなければならない。

その役目が俺だったという事。」

「あなたには、狂気を納める鞘が必要です。」

「有るかどうかも分からない弱点に懸けるより、

こちらで弱点を作ってしまった方が良い。」

「憎しみも愛しみも紙一重

それが人間の業というもの。」

「あの人はこの先、

自分が殺めた人よりも多くの人を守る。」

「さようなら。私が愛した二人目のあなた。」

 

追憶編の要は、一重に雪代巴。

幸せを奪った相手に新たな幸せを貰う矛盾。

憎むべき相手を愛してしまう葛藤。

表情無き表情の中に揺れ動く感情を

どれだけ込める事が出来るか。

普段感情を表に出さないだけに、

感情が満ち溢れ零れ落ちた時の表情が胸を打つ。

有村架純は、十分に演じ切ったと思う。

気持ちの動きを推し量りながら見る事で、

自ずと涙が零れた。

世の中を乱したとしても

新時代を築く事が志士側の正義。

世の中の安定の為に

旧時代を守る事が幕府側の正義。

幕末とは、善悪の戦いではなく、

異なる正義同士の戦いであったのだろう。

暗く重いが深く落ち着いた世界観で

最後を丁寧に描いてくれて良かった。