るろうに剣心 最終章 The Final

「たとえ天が裁きを下さずとも、

人が天に代わって裁きを下す。」

「俺がお前に与えるのは、

痛みではなく苦しみだ。」

「巴さんは、愛する人を奪った剣心を

愛してしまった自分が許せなくて、

剣心の刃を受けた。」

「見せて下さい。あなたの剣で

過去に捕らわれた人の足が前に踏み出す所を。」

「俺の敵はお前だけではない。お前の全てだ。」

「お前の俺への怨嗟の念は間違っていない。

ただお前の生き方は間違っている。」

「縁も償わなければならない。

そうしなければ、縁の中の巴は笑わない。」

 

人誅編。少年漫画としての異質感。

罪と罰という重いテーマだからこそ、

深く心に刺さり、名作として記憶に残る。

実写は、漫画の再現ではない。

完璧な再現は出来ないし、すべきでもない。

観る側も再現を望んではいけない。

漫画の核となる要素を咀嚼して飲み込み、

実写だから出来る、実写にしか出来ない、

もう一つの世界を構築する。

漫画では面白い個々のエピソードを

2時間の映画に全て盛り込む事は不可能だ。

苦手な部分は大胆に省略し、

得意な部分は徹底して描く。

思い切った割り切りが成功に導く。

正に無双と評せる

アクションシーンの迫力は圧巻だ。

アクションと表情が多くを語っている。

実写映画ならではの見応えがあった。

最後の追憶編は、

アクションを排してドラマに徹しても良い。

寧ろそうして欲しいと願う特別な物語だ。