HOKUSAI

「描きたくないものは、描かない。

描くんなら、気の済むまで。」

「お前の描く女には色気がねぇ。」

「絵なら、下っ端から抜け出せると思ったんだ。」

「役者の中を写したんです。」

「描きたいものを好きな様に描いたんだ。」

北極星。たった一つ決して動かねぇ星だ。」

「絵に文字や言葉は関係ねぇ。

誰が見ても面白ぇもんは面白ぇ。」

「絵は、世の中変えられるんだぜ。」

「読み手は、挿絵で想像するんだ。」

「こんな日だから描くんだ。」

「歳は嘘付かねぇ。」

「こんな身体になったから、

見えるもんがきっとある。」

「まだまだ世の中と勝負がしたい。」

「本を書くのに、武家も町人も無い。」

「描きたいものを吐き出して人の心を打つ。

冥利に尽きる。止められるもんじゃねぇ。」

 

天才の話は面白い。

苦労して才能を開花させた人間の話は尚面白い。

写楽と対比させる事で北斎の魅力がより伝わる。

面白いか否か。

直感的に伝わるが故に、

絵には世の中を変える力がある。

表現の持つ力を承知していたからこそ、

権力者は表現を取り締まる。

自由な表現が許されなかった時代に

表現する事を貫いた北斎

時代背景を踏まえて捉えれば、

表現の尊さや北斎の偉大さがより伝わる。

老いたからこそ、不自由だからこそ、

見えるものがある。

そう考える事が出来れば老いさえも楽しめる。

曇り無き喜びを感じられるものを

最期まで持ち続けられる人生は、

きっと幸せだろう。