すばらしき世界

「今度ばかりは、堅気ぞ。」

「大事なのは、これまでの人生で

失われた愛情や信頼を取り戻す事だ。」

「肩身が狭くない分、刑務所の方がマシだ。」

「大事なのは、誰かと繋がり、社会から孤立しない事です。」

「社会のレールから外れた人が今ほど生き辛い世の中は無い。」

「撮らないなら、割って入って止めなさいよ。

止めないなら、撮って伝えなさいよ。」

「テレビ番組一つで世の中が変わる程甘くはない。」

「金持ち連中に枕を高くして寝かせる為に、

俺達は大人しく生きているんじゃなか。」

「善良な市民がリンチにおうとっても、

見過ごすのがご立派な人生ですか。」

「娑婆は我慢の連続。我慢の割に面白くない。でも空が広い。」

「過去を消すんじゃなくて、

知った上で雇ってくれる所に行くんです。」

「スロースタートで良いんです。」

「本当に必要な事以外は、目を瞑る。

全てを受け止められる程、人間は強くない。」

 

世の中には、見えない壁が無数に存在する。

壁の此方側と彼方側。

同じ場所に居ても、見えている景色が違う。

自分に見えている物が彼には見えず、

彼に見えている物が自分には見えない事もある。

どちらが正しく、どちらが正解かは、一概には言い切れない。

真っ直ぐな人間が生き辛いとしたら、

恐らく社会の側が歪んでいるのだろう。

但し、真っ直ぐな人間ばかりでは、社会は成立しない。

醜さも、愚かさも、未熟さも、理不尽さも、

全て内包して社会は存在する。

悔しさを必死に堪えて、「似てますね」と言った彼の姿に、

社会の中で生きる覚悟を見た。

理不尽で不寛容な世界に素晴らしき世界があるとすれば、

生き辛い人間を認め、受け入れてくれる人々の事だろう。