シークレット・スーパースター

「あなたの一番のファンは私よ。」

「これが17時間働いた夫に食わせる飯か。」

「今度謝ったら、お前を捨てる。」

「あなたの笑顔を見るのが私の生きがい。」

「寝たら夢を見ちゃう。毎朝目覚めるのは、夢を叶えるため。」

「離陸したらきっと感じる。世界の広さとバドーラダーの小ささを。」

「家で歌うのとは訳が違う。これはプロの仕事なんだ。」

「体じゃなく心で歌いたい。私のために。」

「才能のある子供は黙っていても有名になる。誰にも止められない。」

「父には結婚させられる。娘には離婚させられる。誰も私に確かめもしない。」

「運命は変えられない。」

「弱虫だよ。娘も救えない。」

「何も言わずにあなたを育て上げた母さんの胸の内を察してあげなさい。」

「過去に泣くなら、今を笑顔で。」

「夢を奪われた人間には、眠りも目覚めも生死も意味が無い。」

「夢は人間に与えられた権利よ。」

「再入場出来ませんよ。最高のシステムね。」

「弱虫じゃない。あなたは戦う人。子供じゃない。世界一のお母さん。」

「気に入らないなら、気に入れ。」


夢が近付いてくる心弾む喜び。

夢が打ち砕かれる深い悲しみ。

映像と音楽に乗せて、少女の心の動きがひしひしと伝わって来る。

インドで女性として生きていく事。

それは日本から想像するよりも遥かに厳しい。

世界に認められるよりも、父親に認められる方が難しい。

夢の前に立ちはだかる古き慣習の壁に身もだえする。

心底苦しく感じるからこそ、そこに立ち向かう姿が強く胸を打つ。

登場人物も皆魅力的だ。

チャラい男の粋な行動は何ともかっこいい。

チンタンもグドゥも実に良い味がある。

喜びも楽しみも怒りも悲しみもあらゆる感情がダイレクトに伝わって来る。

希望、絶望、成功、挫折。

映画の素晴らしさが全て詰まっている。

本当に見られて良かったと心から思える最高の作品だった。