ドライブ・マイ・カー

「彼女の中にルールがあるから、

やって良い事と悪い事がある。」

「悪いのは信念じゃありません。

悪いのはお前自身です。」

「君が望まないものを

僕だけ望んでも仕方が無い。」

「真実というのは、

どんなものでもそれ程恐ろしくはないの。

一番恐ろしいのは、

それを知らないでいる事。」

「大切なのは、仕事をする事です。」

「細か過ぎて伝わらない事を大事にしている。」

「セックスしなきゃ分からない事もある。」

「沈黙は金です。」

「彼女の言葉を知りたくて勉強しました。」

「ジャッジは演出家がするものです。」

「名前が宗教的になり過ぎる。」

チェーホフは恐ろしい。

彼のテキストを口にすると、

自分自身が引きずり出される。」

「彼女の最初の物語は、僕とのセックスだった。」

「彼女は自然に僕を愛しながら、

僕を裏切っていた。」

「どんなに愛し合っている相手でも、

他人の心をそっくり理解する事は出来ない。」

「大事なのは、自分の心と折り合いを付ける事。」

「本当に他人を理解したいなら、

自分の心と真っ直ぐ向き合う事。」

「音さんが家福さんを愛した事も、

他の男の人を求めた事も何の矛盾も無い。」

「僕は正しく傷付くべきだった。」

「生き残った者は、死んだ者の事を

ずっと考え続けていかなきゃいけない。」

「長い日々を、長い夜を

生き抜いて行きましょう。」

 

真実は中身よりも

知らないでいる事が恐ろしい。

どんなに頑張っても

他人を完全に理解する事は出来ない。

だからこそ深く真っ直ぐ

自分自身と向き合う。

自分の心に映った姿に

相手の真実を見出す他ない。

全体を覆う空気は悪く無かった。

THE BATMAN -ザ・バットマン-

「死んだ嘘つきがつくのは、“動かぬ嘘”だ。」

「この街を変える。

それ以外、俺には意味が無い。」

「人は、見かけとは違う。」

「殺人鬼は、騒ぎが好きだ。」

「金持ちのクソ市長だ。自業自得だ。」

「俺にとって謎々は、

恐ろしい世界からの逃げ場所だった。」

「選択には、結果が伴う。」

「どんなに善人でも追い詰められれば変わる。」

「奴を裁くのは銃じゃない。」

「この街の真の姿は、

汚職や堕落が蔓延っている。」

「この街の人間は、恐怖に支配されている。」

「悪は眠らない。」

「復讐では、過去は変えられない。

希望が必要だ。」

 

犯罪者でも真実を暴く者に人々は喝采を送る。

悪の姿は一様ではない。

巨悪ほど正体が見えにくい。

復讐は新たな復讐を招く。

過去から解放される為には、希望が必要だ。

内容以前に長さが辛い。

コーダ あいのうた

「屁が臭いのは、

聾唖者も臭いを楽しめる為だ。」

「全てを捨てて誰かを愛する気持ちを歌え。」

「君に声をかけたのは、可能性があるからだ。」

「私が盲目なら、絵を描いていたかも。」

「家族が笑われる気持ち分かる?」

「挑戦を怖れる生徒に教えた所で無駄だ。」

「家族抜きで行動した事が無いんです。」

「駄目な母親なのは、耳のせいじゃない。」

「家族が笑われても卑屈になるな。

俺達は無力じゃない。」

「お前が生まれるまでは、家族は平和だった。」

「どうせ追い出すなら、家族で見届けなきゃ。」

 

生まれた時から、

家族に縛られる事を

運命付けられた人生。

決して楽な筈は無い。

助ける方も苦しいが、

助けられる方も苦しい。

ただ困難を補って余りある

愛に満ち溢れていた。

夢と家族の双方に

全力で向き合う姿に心打たれた。

演奏中に一切の音が消える場面。

聾唖の方の捉えている世界を垣間見た。

彼等は正に眼で音楽を聴いている。

全てを視覚情報に依拠しているからこそ、

表情の豊かさが生まれるのだろう。

ウエスト・サイド・ストーリー

「俺が何者かなんて誰も気にしない。」

「最後に残るのは仲間だ。」

「戦うか踊るか。」

「今夜全てが始まる。

あなたと出逢って世界が変わる。」

「 NYに来たからには、人生を変えたい。」

「喧嘩は止められない。奴等の生き甲斐だ。」

「最凶のワルだって実はいい子。」

「死すらも二人を分かちはしない。」

「俺達がこの街に居るのは、

他に居場所が無いからだ。」

「人殺しに愛など無い。血も涙も無い。」

「ナメられて誇りを失うなら馬鹿だ。」

 

社会から虐げられた者にとっては、

仲間と喧嘩が自身の存在証明になる。

止めたくても止められない。

闇雲に否定する事は、

余りに彼等に対する理解が足りない。

限られた居場所の奪い合いが争いを生む。

暴力による争いは、

否応無く悲劇を招いてしまう。

但し悲劇を招いてしまった人間が

必ずしも悪人とは限らない。

正すべきはやはり人間よりも

暴力という行為そのものだ。

だからこそ、

ダンスによる喧嘩を見た時に

深い感動を覚えたのかも知れない。

あれ程幸福感に満ちた争いも無い。

ダンスの持つ表現力の豊かさを

改めて実感した。

美しく揃った圧巻のダンスシーンを

見られただけでも、

本作を観た甲斐があった。

スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム

「期待しなければ、失望しない。」

「俺から椅子は奪えても、才能は奪えない。」

「皆心と体の悩みを抱えている。」

「すべき事は、人助けよ。」

「残念だが、死ぬ時は死ぬのだ。」

「下手な治療は、悲惨な結果を招く。」

「大いなる力には、大いなる責任が伴う。」

スパイダーマンの行く所には、

混乱と災いが起こる。」

スパイダーマンが触れるものは、

全て滅びる。」

「ヒーローならマスクを剥ぎ、

正体を明かすべきだ。」

「臆病者ほど、本当の姿を隠したがる。」

 

ピーター・パーカーの苦悩を

誰よりも理解出来るのは、

ピーター・パーカー自身だ。

スパイダーマンは、一人じゃない。

存在する世界の数だけ、

スパイダーマンは存在する。

但し一つの世界に存在するのは、

一人のスパイダーマンというのが

超えられない暗黙の了解の筈だった。

其の壁が突き破られた。

異なるシリーズの、同一のヒーローが、

同一のキャストで、一堂に会する。

3人のスパイダーマンが勢揃いする。

映画史上における画期的な光景を

見られた事の嬉しさで泣きそうになった。

歴史あるスパイダーマンだからこそ

出来る粋な演出だ。

複数の作品を掛け合わせる事で

生まれる化学反応。

映画の可能性はまだまだ広がる。

大怪獣のあとしまつ

「情報は、我が身を守るものです。」

「始まる前に結果を気にするな。」

「政治的野心にリスクは付き物だ。」

「覆ったものが想定。

覆らなかったものが事実。」

「情報の価値は、鮮度に比例する。」

「全ては国民の知らなくていい権利の為だ。」

「最悪のシナリオは、

自分の不完全さの言い訳に過ぎない。」

「国家の利益が個人の尊厳より優先される。」

「権力は、いざという時に使う。」

「負けを予想して憂うのは、負け犬の習性だ。」

国益の為に多少の犠牲はやむを得ない。」

「幸せは希望の向こう側にある。」

 

発想は素晴らしい。

画にも力がある。

奇抜な設定だからこそ、

真面目に徹して欲しかった。

中途半端な悪ふざけが雑音となり、

観る側の心構えがブレる。

笑いを期待するには、

真面目な部分が多過ぎる。

真面目と不真面目のバランスは難しい。

裏切られる面白さはあるが、

全体の作風がブレると見難い。

ドリームプラン

「プランにしくじるのは、

しくじるプランだからだ。」

「ビーナスとセリーナは、世界を揺るがす。」

「世界中で最も危険な生き物は、

考える事が出来る女だ。」

「謙虚になれないなら、試合は無しだ。」

「危険から子供を守るのが親の務めだ。」

「楽しめよ。それが一番大事だ。」

「無料の物に手を出すな。全てに裏がある。」

「ボールの音を聞け。努力の音だ。」

「教育が無いと優秀な選手も

18歳で燃え尽きる。」

「練習が結果を生む。」

「ビーナスの人生よ。あの子に決めさせて。」

「お前の踏み出す一歩は、

地上の全ての黒人女性を代表する事になる。」

「ビーナスは世界一の選手になる。

お前は史上最高の選手になる。」

「今自分をリスペクト出来ないと

一生出来ないぞ。」

「彼は、忍耐、家族、教育を優先した。」

 

まずテニスがあって次に人間がある訳ではない。

まず人間があって次にテニスがある。

この順序は決して揺るがない。

確固たる信念があればこそ、

目先の甘い誘惑に靡く事も無い。

大切な事を見抜く力。

信じて貫く力を見た。

実行するのは困難な計画だからこそ価値がある。