小さな恋のうた

「東京には日本中の最強が集まってんだ。」

「友達どころじゃないんだよ。バンドなんだよ。」

「国境越えてんじゃん。こっちが沖縄。あっちがアメリカ。」

「音楽に嘘はつきたくない。」

ルーズベルトが沖縄を欲しがった理由。沖縄の人がいい人だったから。」

「基地に向かって怒ってどうなる。怒る相手が違うだろ。」

「バンドはライブやってなんぼだろ。」

「やさしい歌は世界を変える。」


青春とは、エネルギーの発露を阻害する壁との闘争の連続だ。

ただ、本当に良いものは止めたくても止めようがない。

人の心を動かし、応援してくれる人が現れる。

やはりMONGOL800の歌には、聴く者を魅了する圧倒的な力がある。

そしてその歌は、沖縄という土地と切っても切り離せない。

フェンス一枚で隔てられた二つの国が存在する場所。

マクロで見る沖縄には対立ばかりが目立つが、

ミクロで見る沖縄には無数の繋がりに満ちている。

音楽を奏でる者と聴く者を隔てていたフェンスが姿を消すラストシーン。

音楽には壁を乗り越える力がある事を証明する象徴的な場面で胸を打たれた。

それを踏まえて聴く「やさしい歌は世界を変える」というフレーズがまた良い。

青春の瑞々しさと眩しさに溢れながら、沖縄の現実も映し出す良作だった。