WEAREX

「白鳥は一度だけ歌を歌う。死ぬ前に。」

「俺を信じて、全てを託して欲しい。全て実現させてみせる。」

「全身全霊をかけて打ち込めば、敗北は有り得ない。最悪、死ぬだけだ。」

「山を登るなら、YOSHIKI山を登りたい。」

「アーティストの創造物は、自分に対する自己説明だ。 by マリリン・マンソン。」

「ステージこそが俺の居場所だ。」

「心の痛みは癒えない。」

「傷を負った人に寄り添う音。」


これは、YOSHIKIを軸に据えているが、YOSHIKIのドキュメンタリーではない。

紛れも無く「X JAPAN」のドキュメンタリーだ。

一人の人間で完結するアートならば、一人の天才によって全てを生み出せる。

ただ、バンドとはそういうものではない。

「X」が一人の人間であり、YOSHIKIが天才的な頭脳であったとしても、

それだけでは、「X」の音楽は生まれない。

YOSHIKIの要求に応えたくても応えられないというToshIの苦悩。

そしてバンドの「母親」だったというhideの喪失。

「X」が「X」で在り続ける事は、簡単な事ではない。

「X」というバンドは、多くのものを失い、多くの傷を背負っているからこそ、

傷を負った人に寄り添う歌を生み出せるのだろう。

改めて、「X」というバンドの大きさ、そして深さを感じられた。