海辺のリア

「どこから来たのかも分からない。どこへ行くのかも分からない。

自分が誰かも分からない。一体何なのよ。」

「人間はこれほど残酷になれるのかと、笑いたい気持ちになる。」

「俺は俺なんだ。今気付いた。ふと気付いた。突然気付いた。」

「人生はあっという間。はい上がったと思ったら、転落が待っている。」

「私に、思い出などいらないのです。みなさんの中に、私の思い出さえあれば…。」


「ははぁ」という無邪気な笑い。

取り付く島も無い様な頑固さ。

老いていけば、それだけ人間の感情がストレートに表に出てくる。

笑った時の仲代さんの芝居が印象的だった。

ストーリーが面白いか否かという類の作品ではない。

演技と海辺を味わえば、それでいいだろう。