「会いたいんです。抱き合っていても、また会いたいと思う。思いが尽きないんです。」

「目の前から消えてしまうものほど、美しいのです。」

「映画って、誰かの人生とつながるもの。」

「音声ガイドは、彼らの想像力を理解する事。視覚障害者の想像力って相当なものよ。」

「写真家とは、時を獲物にしたハンターのようなものだ。」

「生きたいと思っても、死ぬ場合もある。死のうと思っても、生かされる場合もある。

そういうものだ、人間は。」

「心臓なんだ。動かせなくなっても、心臓なんだ。」

「映画ってすごく大きな世界。

それを言葉が小さくしてしまったら、こんな残念な事は無い。」

「本当に大切なものを捨てなければならないなんて、つらすぎる。」

「探さなくても、追わなくてもいいから。ちゃんとそっちに行くから。」


朝なのに、朝である事がわからない。

視力を失うとは、そういう事だ。

目が見えている人間とは、全く異なる世界を生きているのかもしれない。

「音声ガイド」という仕事を通して見えてくるもの。

ただ、目の前のものを言葉にすればいいというわけではない。

表現における言葉。

それは過大であっても、過小であっても届けたい思いの邪魔をしてしまう。

相手の想像力が及ばない所では言葉を足し、想像力が及ぶ所では言葉を引く。

それを見極めが必要になる。

互いに分からない相手だからこそ、相手の思いを想像し、理解し合う。

その大切さを考えさせられる作品だった。