シン・ゴジラ

「完璧ではないが最善を尽くしている。」

「名前はついている事に意味がある。」

アメリカでは大統領が決める。日本では誰が決めるの?」

「情報は独占している事に価値がある。」

「避難とはそれまでの生活をねこそぎ捨てさせる事だ。」

「自国の利益のために他国に犠牲を強いるのは覇道です。」

「戦後日本は一貫して彼の国の属国だ。」

「日本が復興するためには、世界からの投資と同情が必要だ。」

「危機というのは、日本ですら成長させる。」

自衛隊はこの国を守る力を与えられた最後の砦です。」

「十年後に自分が総理になっているより、十年後にこの国が残っている方が大事だ。」

「この国はスクラップアンドビルドで立ち直ってきた。今度も立ち直れる。」


こんなゴジラ見た事がない。

まず庵野監督でなければ、このゴジラは生まれなかっただろう。

不測の事態に対して、ただパニックを起こして大騒ぎをするわけではない。

むしろ拍子抜けする位に淡々と進んでいく。

それがあたかも現実に起こり得る事態の様な感覚にさせられる。

もし謎の巨大生物が突如として現れた時、

政府が何を考え、どう行動するのか、

日本という国に何が出来て、何が出来ないのか、

リアルなシミュレーションを見ている様だった。

当然、世界に協力を求める事もある。

ただ、ゴジラが人類共通の敵であれば、

世界が優先するのは、日本の防衛よりも、ゴジラの抹殺になる。

真に日本の事を考えられるのは、やはり日本人自身なのだろう。

また単にリアルなだけではなく、迫力のある見せ場もちゃんとある。

実に中身の濃い、クセになるのも頷ける作品だった。