あなたへ

「放浪と旅の違いってわかりますか?

目的があるかないかです。そして、帰る場所があるかないか。」

「帰る場所は、また見つければいい。

生き残った者は、また生きて行かなければならないのだから。」



「秋になったら外さなきゃね。

季節外れの風鈴ほど哀しい音はないから。」

人の人生もまた風鈴と同じなのかも知れない。

どんなに音色が美しくても、

どんなに思い出が輝いていても、

季節が過ぎたら外さなければならない。

いつまでも同じ場所で浸っていたら、前には進めないのだから。

この旅はきっと、風鈴を外すための旅だったのだろう。


大俳優でありながら、謙虚な芝居に嫌らしさを感じさせない。

健さんが老け込まないのもそれ故なのかもしれない。