とある本の顛末

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知っていた人にとっては「今さら」と思われるかも知れませんが、

最近読んだんで、ちょっと一言。

「他人を見下す若者たち」


仮想的有能感」というキーワードの下、若者の心理を分析していくこの本。

感想としては、

自省の念も含めて、頷かされる点が多々あり、総じて面白いものを読んだという感じでした。


そこでアマゾンでこの本のページを見て、

そこに渦巻いている「負のオーラ」に衝撃を受けました。




まさに「痛いところ」を抉られたことによるはけ口を求めるかのように

必死でもがいている様が、無数にならんでいました。


必死になってこの本をバッシングすればするほど、

この本の正当性が証明されているようで、なんとも皮肉なこと。

その必死さが字面から伝わってきて、いたたまれないような気持ちになりました。

ここに否定的な意見を書き連ねている人たちは、

そうせずには、「否定された自己」を回復できないんでしょうね。



完璧な人間はいません。

(完璧だと思い込んでいる人は大勢いるかも知れませんが)

時には、いろんな策を講じて、自分自身を守っていく必要もあるでしょう。

ただ、傍観者の声に説得力がないのは確かなようです。


一連のレビューまでを含めたものが、この本がもたらした影響といえるのかも知れません。



最後に特に印象に残った所を紹介します。

自尊感情とは、自分を「非常によい」と感じることではなく、「これでよい」と感じることだ。

自分を価値ある者と感じ、ありのままの自分を尊敬できる場合は、自尊感情が高いと言える。  

――― ローゼンバーグ



「非常によい」と「これでよい」の差。

理想的な自分を尊敬できるということは、得てして簡単なこと。

ありのままの自分を尊敬できることこそが価値のあること。

この本を読みながら、そんなことを思いました。