アナと雪の女王

「頭に刺さった氷なら簡単に抜ける。

だが、心に刺さった氷を溶かせるのは、真実の愛だけだ。」

「愛とは、自分より他人の事を大切に思う気持ちだ。」


誰しもありのままの自分でいようと思ったら、独りでいる事が一番なのだろう。

誰かと一緒にいるという事は、少なからず自分に蓋をし、装う事になる。

望まざる力を持ってしまったがために、

人を遠ざけざるを得なかったエルサの切なさも真実なら、

独りになる事でやっと本当の自分になれると悟った時に、

彼女が浮かべた笑顔と開放感に満ちた表情もまた真実だろう。

「ありのままの自分でいること」と「誰かと心を通わせること」

簡単そうで実は難しい両者を繋げるものこそが、「愛」ということなのだろう。

全てが冷たい氷で覆われた世界であるが故に、

その対比として「愛」という抽象的な概念が温もりを帯びて伝わってきた。

映像も音楽も素晴らしい。

決して説教臭くはなく、映画という表現を通して、

大切なメッセージを受け取る事が出来る作品だった。