アレキサンダー
アレキサンダーにとって 世界の果てより 愛を見つけるほうが難しい ―――劇中より
どうやら勘違いをしていたみたいだ。
名誉や権力を求めて、迷いなく嬉々として進軍していった。
そんな印象で彼の事を捉えていた。
しかし、よく考えて見れば分かることだったのかも知れない。
それは、決して楽なことではなかったのだから。
「努力」と「結果」を秤にかけた時に、
努力の方が重くなることをしようとするその動機は、
「欲望」ではなく「理想」でしかありえない。
ただ、「理想」は「欲望」よりも維持し続けることは困難だ。
遠征中、何度となく彼は自問自答したことだろう。
「何のために?」と。
そして、強烈な孤独に襲われていただろう。
頂点に立つことの孤独に。
途中からグッと引き込まれた。
派手な戦闘シーンが目玉なんだろうと思っていたが、そうではなかった。
いろいろと考えさせられる壮大なドラマだった。
「ひょっとしたら、これ、面白いんじゃないの!」
そんな感覚を感じる瞬間こそ、映画を見ていて一番良い瞬間だと思う。
彼の失敗は 他者の成功より 栄光に満ちている ―――劇中より