見えない目撃者
「姉が弟を補導するなんて有り得ないから。」
「私には昼も夜も同じだから関係無い。」
「レールを外れる事が分かってる奴にかまっている暇は無い。」
「彼女は、暗い海の底を歩き続けている様なものだ。」
「ゾッとしたよ。映像から撮影者の興味が伝わって来る様で。」
「俺達は数有る職業の中から人を助ける仕事を選んだんだろ。」
「自分の事もろくに出来ない人間に人を助ける事なんて出来ない。」
「見せてやるよ。警察官が正義の味方だって所を。」
「俺は死体を沢山見たくて警察官になったんだ。」
「見えなくても涙って流れるんだ。」
「私は世界も自分も諦めていない!」
一つの世界が閉ざされると、他の世界が逆に広がり得る。
見えないという弱味は、他の感覚を研ぎ澄ます強味にもなり得る。
様々な手掛かりから犯人を突き詰めていく興奮から、
判明した犯人に追い詰められる恐怖へ。
物語は緊張感を保ったまま加速していく。
見せるものをしっかり見せる事で説得力も増す。
警察官から高校生まで各々の正義が伝わって来るのが良い。
対する犯人の狂気を纏った冷酷さがまた良い。
終始画面に引き付けられた良作だった。