バッテリー
バッターが打てなくても、キャッチャーも取れない
いい空気感のある映画だった。
この映画の中で外せない広島弁も良かった。
キーワードとなる“野球”そして“バッテリー”
やっぱり、青春映画といっても
他の題材やスポーツでは代替出来ないものがあった。
何のための野球か?
そして何のためのバッテリーか?
そんな事を見ながら考えた。
と言っても、正直な所、予想より入り込むことが出来なかった。
「自分の才能しか信じない孤独で生意気な天才少年が、
人々との交流を通じて、やがて心を開いて成長していく。」
そんな展開を見る前に予想していたし、そんなのを見たいと期待していた。
ところが物語の結構早い段階で、主人公の巧は、
仲間達に笑いかけ、心を通わせてしまう。
確かにその後にいろいろあるんだけど、
そのシーンを見た瞬間に、途端に方向性がぼやけたというのか、
巧のキャラクターがいまいちはっきりしなくなってしまった。
「別にいい奴じゃん」と思ってしまった。
もっと孤独で、誰も寄せ付けない位の入りの方が、よかったなぁ。
まぁ、そこが普通の青春ものと違うといえば違うのかもしれないけれど、
自分の期待していたものと違っていた分、残念だった。