七人の侍

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以前こんな言葉を聞いたのを覚えている。

シェークスピアを見れば、“演劇”というものがわかる。

ドストエフスキーを読めば、“小説”というものがわかる。

そして、

「七人の侍」を見れば、“映画”というものがわかる。

―――井上ひさし

そして、ようやく見ることが出来た。


(今更ながらの感想ですが、初見ですのであしからず)

まさに「映画」というものの持つ面白さが目一杯詰め込まれているという印象だった。

ドラマあり、アクションあり、キャラクターあり、

名シーンあり、名ゼリフあり…

黒澤作品を見ていつも思うのは、全然古さを感じないということ。

いつの時代でも 「面白い」 と感じられるシナリオの魅力は凄いと思う。

とくにこの「七人の侍」は、

個性的な仲間のリクルート、強者が弱者のため、少数が多数を…

とにかく、理屈ぬきでわかりやすい明快な設定だけで、、飯が何杯でもいけるというのか。

でもそれは、本ではなく「映画」として表現される事で最高のものになっている。

あたりまえだけど。

それから

羅生門」を見たときも感じた「三船敏郎」の演技。

見ている人をヒリヒリと痛いほど刺激する。

例えるなら、

皮のない神経剥き出しのところに、直接ついてくる感じ。


喜びも、怒りも、悲しみも、

あれだけ表情豊かに表現できる人を他に知らない。


余談ですが、「めちゃイケ」の「しりとり侍」も

絶妙にキャラクターとマッチしていたなと思う。


最後に、印象的だった勘平衛のセリフから

「戦」とはそういうものだ。

人を守ってこそ、自分も守れる。

己の事ばかり考える奴は、己をも滅ぼす奴だ。

人生の中で、押しておくべきスタンプを、ようやく押せた気がします。