エリック・クラプトン-12小節の人生-

「音楽が彼の存在の核だ。」

「手段が見つかると、音も見つかった。」

「音楽は人生に寄り添い、並行して進んでいく。」

「白人がブルースを受け入れる事は、公民権を認める事だ。」

「僕は怒りをギターで晴らす事が出来る。」

「親友の妻を自分のものにするのは、砂利の上を歩く様な苦行だ。」

「ヘロインをやっている時は、悩みを忘れられる。人生は嫌いだ。」

「ギターを弾くのは止められないが、人前に立つのは今すぐに止められる。」

「自殺しなかったのは、死んだら酒を飲めなくなるからだ。」

「血は水よりも濃く、一生消えない絆だ。」

「音楽が僕を救った。」

「彼は強い人間だ。生き残っているのが何よりの証拠だ。」

「俺は永遠に生きる。君は永遠プラス1日生きろ。君のいない世界は見たくないからな。」


登場する錚々たる顔触れを見ても、エリックが生きる伝説である事が分かる。

歴史になったレジェンド達と同時代を過ごした人間が今なお生きている。

それだけでも感慨深いものがある。

怒りをぶつけ、悲しみを癒す。

ギターはまさに彼の身体の一部だったのだと思わされる。

麻薬、酒、女。

彼の人生はあまりに不安定で破滅的だ。

才能がありながら何故と思うが、

全てを引っくるめたものが彼であり、それが人生というものなのだろう。

破滅的であればあるほど、今なお生きている事の価値が沁みてくる。

本当に破滅しなかったのは、最後にはそこに音楽があったから。

音楽には人を救う力がある。

彼の人生そのものがそれを証明しているかの様だった。