空飛ぶタイヤ

「責任を取るのはお前じゃない。俺だ。」

「従業員とその家族の生活がかかってるんだ。俺が闘わなくて誰が闘う。」

「組織の動きを覚えろ。」

「中小企業なめんな!」

「匿名の書類は握り潰される。告発するなら、まず名前を名乗ってから。」

「家に帰ったら突然家族がいなくなってるって、想像してみろ。」

「この書類は、私の魂です。」

「社長が諦めていないなら、私達も諦めません。」

「名門を汚すのは、リコールじゃない。不正だ。」


企業の論理。市場の原理。

顔の見えない敵と闘うのは、相当に難しい。

それを可能にするのは、顔の見える誰かの為という信念だろう。

ただそれは、たった一人の正義感では闘い切れない。

無謀と分かっていながら、それを支える周囲の人間の姿がまた胸を打つ。

同じ敵と闘う者同士が、必ずしも仲間とは限らない。

それでも、各々の人間が、各々の場所で、自身の信念に従って闘う。

ラストの冷めた熱さがまた良かった。