恋は雨上がりのように

「ここに何も無いなら、どこに何があるって言うんだ。」

「僕と橘さんの間には、理由がいるでしょう。」

「45歳。夢も希望も無い、からっぽの中年なんだ。」

「本は、一方的に勧められて読むものじゃない。」

「ここには橘さんを呼んでる本がある。それは今も橘さんに必要な本なんだ。」

「一緒に過ごしたかけがえのない時間は、時が経っても消えないのかも知れない。」

「それが諦めなら、ずっと立ち止まったままになる。」

「若さとは、乱暴で凶暴なものだ。

ただ、その時感じた感情は、いずれかけがえのない財産になる。」

「それは未練じゃない。諦めずにもがいているのは執着だ。」


若さとは、真っ直ぐなものだ。

その真っ直ぐさにたじろぐ感じもよく分かる。

ただ、その真っ直ぐさがからっぽの中年の中の何かを変える。

年の差があるから、分かり合えない事もあれば、

年の差があるから、気付き合える事もある。

互いに意識をする事で、

徐々に気持ちが前向きに変化していく様子に、

爽やかな印象が残る作品だった。