スリー・ビルボード

「仲間であれば責任がある。」

「世間の関心が高まれば、逮捕に繋がる。これは常識よ。」

「この世に生まれた時には母親がいて、この世を去る時には君がいる。」

「刑事に必要なものは、愛だ。」

「敵ばかりなわけじゃない。」

「怒りは怒りを来す。」


波風が立たなければ、事件は忘れ去られてしまう。

たとえ逆風に晒されても、関心を呼び、事態を動かそうとする。

その勇気と覚悟、何より揺らぐ事の無いタフさが凄まじいかった。

孤立無縁。

回りが全て敵に思える中でも

手を差し延べてくれる人がいるというのは心強い救いだろう。

火事の中、あの資料だけは守ろうとする姿は胸を熱くさせる。

誰が善で悪か分からないというのは、面白さの大きな要素だ。

意味が込められているのは、看板の表だけじゃない。

そう考えると、最後のあのカットがじんわり沁みてくる。

ただ今回は、事前情報に身構え過ぎた感がある。

どんでん返し。衝撃の結末。

こうしたワードに引っ張られ、裏を読み過ぎた。

気持ち良くひっくり返らなかった場合は、逆にマイナスになってしまう。

もう少し素直に見ていたら、もっと真意を受け取れたかも知れない。

その点は、やや残念だった。