いつまた、君と何日君再来

「富の不公平が、人を不幸にする。」

「ここにいたら、お父ちゃんの心が死んでしまう。」

「生きるというのは、面倒な事だ。」

「弱い者は、踏みにじられる。勝たなければ駄目だ。」


普通の人の人生が、果たしてわざわざ見るに値するのか。

そんな疑問は確かにあった。

ただ、

たとえ何か偉業を成し遂げた訳ではなくとも、

懸命に生きた人生ならば、必ずそこにはドラマがあり、見るに値するものがある。

まして、戦後の貧しい時代を生き抜いた人生であるなら尚更に。

あまりに不幸が続けば、生きる事を面倒に思うのも無理は無い。

それでも乗り越えて来れたのは、やはり家族の存在が大きかったのだろう。