帝一の國

「自分の国を作る。これほど大きな夢は無い。」

「勝つ事でしか生きていけない。」

「安全な場所から叫んでいても声は届かない。

流れを変えたければ、敵の中に入らなければ。」

「金はいつか災いをもたらす。」

「自分の国を作れば、誰にも邪魔をされずにピアノが引ける。」

「絶対に負けられない家に生まれた者の気持ちがわかるか。」

「てっぺんは、星の数ほどある。」

「『負ける』のと『勝たせてやる』のとでは意味が違う。」


剥き出しの「野心」が、こんなにも面白く魅力的だとは。

「夢」という言葉では生温い。

綺麗事を排除した欲望だからこそ、人間の本気が見えてくる。

本気だからこそ笑え、本気だからこそ羨ましさも感じる。

政治とは、策略と戦術に長けた者が勝つとは限らない。

真っ直ぐな人間が最後には勝つ。

と思ったら、実は…。

最後まで、誰が笑うのか揺れ動く展開が実に面白かった。

主人公が、あえて自分が勝つ為の戦いではなく、

誰かを勝たせる為の戦いをメインにしたのも良かったのだろう。

その方がより多くのものが見えてくる。

生徒会長選挙という題材も絶妙だ。

見事な政治ドラマの縮図であり、青春ドラマの熱さも味わう事が出来た。

個々のキャラクターも、それぞれが際立っていて良かった。